スティックドリフトTMR交換

白のDualSense、左右スティックをTMRに交換

作業日 2026-10-07 ・ 作業:一級自動車整備士 ゆきすぴーど
作業を終えた白のDualSense
整備記録
機種DualSense(基板 BDM-050M)
症状右スティックのドリフト(触っていないのに勝手に動く)
作業内容左右スティックをTMR方式のスティックに交換
使用部品K-Silver JS13PRO+ TMR
作業後の確認診断ツールで10項目すべて合格/スティックの円のずれ 左6.0%・右5.9%

症状

右スティックに、いわゆるドリフトが出ていました。スティックから手を離していても、ゲームの中で勝手に入力が入ってしまう症状です。

症状が出ていたのは右側ですが、今回は左右とも交換しています。理由は2つあります。

  • 予防のため:左側も同じだけ使われているので、あとから同じ症状が出る可能性があります。
  • 左右の感覚をそろえるため:純正スティックとTMRスティックは作りが違うので、片方だけ替えると、倒したときの感覚や、スティックを押し込むボタン(L3・R3)の押し心地が左右で変わってしまいます。この違和感をなくすためです。

原因

DualSenseの純正スティックは、レバーの傾きを「可変抵抗」という部品で読み取っています。中では金属の接点がこすれ合っていて、使ううちにすり減ったり汚れたりします。そうなると、手を離していても「少し傾いている」と判定されることがあります。これがドリフトです。

基板についている純正スティック
基板についている純正スティック。横についている青い部品(年式によっては緑色)が可変抵抗で、ここで傾きを読み取っています。

修理内容

まずコントローラを分解して、基板を取り出します。

カバーを外したDualSenseの内部
カバーを外したところ。中央の緑色の板が基板です。

スティックは、基板の裏側にはんだ付けで固定されています。はんだを溶かして吸い取り、純正のスティックを取り外します。

基板の裏側
基板の裏側。スティックの足が、ここにはんだ付けされています。

取り外したところに、TMR方式のスティックをはんだ付けします。TMR方式は磁気で傾きを読み取るので、純正のように接点がこすれてすり減ることがありません。

ただし、ドリフトが起きにくい仕組みというだけで、ゼロになるわけではありません。ゲーム側の設定でデッドゾーン(スティックの小さな動きを無視する範囲)を0にすると、わずかに動く場合があります。

TMRスティックに交換した基板
左右ともTMRスティックに交換したところ。

結果

組み立てたあと、パソコンにつないで診断ツールで確認しました。ボタン、タッチパッド、振動、スピーカー、マイクなど10項目のテストは、すべて合格です。

診断ツールのテスト結果。10項目すべてPassed
10項目すべて「Passed(合格)」。

スティックをいっぱいまで倒したまま一周回して、外側のふちがどれだけ「きれいな円」からずれているかも測りました。結果は左が6.0%、右が5.9%です。

この数値は小さければ小さいほど良い、というものではありません。純正のスティックでも8〜12%前後になるのが普通とされていて、私がこれまで測ってきた中でも、純正はだいたい8〜10%、TMRに交換したものは5〜8%くらいに収まっています。今回の数値も、この範囲の中です。

0%に近い、極端に小さい数値が出ても、操作感が良くなるとは限りません。入力を上下左右のまっすぐな方向に寄せる補正のせいで、数値だけがきれいに見えている場合もあります。ゲームは基本的に純正のコントローラで遊ぶことを前提にしているので、純正に近い自然な動き方をしているかどうかが大切だと考えています。

スティックの円のずれのテスト。6.0%と5.9%
分解・部品交換をしたコントローラは、メーカー公式の修理対象外になります。修理をご検討の際はご注意ください。